強迫性障害とは、強迫観念にとらわれて強い不安や苦痛を感じてしまう症状のことを指します。強迫観念とは、自分の意志とは関係なく心に浮かび上がってくる考えのことです。常識では考えられないほどの不安に襲われてしまうので、日常生活すらままならないようになります。
すごく珍しい病気だと思われがちですが、人口比率でいうと3%程度の人が発症すると言われているんです。なので、他人事とは思わず、十分に注意しておいた方が良いでしょうね。
一般的な原因としては、脳に問題があるとされています。セロトニンという、人間の精神を安定させるホルモンが、脳内で異常をきたすという説が有力となっています。しかし、セロトニンを正常化しても半分の患者は改善しなかったり、他の薬物で改善することもあります。
ですので、セロトニン以外の物質も、病気に関係しているという見方もありますね。
主な治療法としては、薬物療法と認知行動療法が用いられます。
薬物療法では、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が用いられますね。SSRIはこう津材の一種で、セロトニンを正常化する働きをします。この薬でも効果が無かった場合には、塩酸クロミプラミンを併用する場合もあります。
次に、認知行動療法ですが、ここでは「暴露反応妨害法」という方法が用いられます。これは、患者さんに、あえて強迫観念が起きるような状況を設定して、刺激を与えます。そして、軽い刺激から始めて、徐々に慣れさせていくわけです。こうすることで、強迫観念は少しずつ薄れていくことになります。
これは、継続しないと効果が出ませんから、病院以外にも家庭でも行う必要があります。なので、家族などの協力があった方が良いですね。