『話し上手は聞き上手』という言葉があるように、会話において聞くという行為は非常に大切です。だから、自分の話ばかりするのではなくて、相手の話を聞くように意識をする必要があります。
しかし、何も考えずに相手の話を聞くだけでは、本当の意味での聞き上手とは言えません。相手が話していて楽しくなるように聞かなくてはいけませんから、日常の会話の中で意識するようにしてください。
ここでは、聞き上手になるためのテクニックを紹介します。
目次
聞き上手の人が実践している6つのテクニック
相手の話に興味を持つ
まずは、相手に対する興味を持つことから始めましょう。ちゃんと相手の話に興味を持っていれば、自然と色々なことを聞きたくなるはずです。意識しなくても質問が浮かんでくるので、話に困ってしまうことはありません。
たとえば、「この前、美味しいラーメン屋さんを見つけたんだ」と言われたとしたら、ラーメンに興味を持っている人なら聞きたいことは山ほどありますよね。
「他のラーメンと何が違うの?」
「豚骨?醤油?」
など、ラーメンの情報をたくさん聞き出すはずです。
この時に、「場所はどこ?」とか「いつ行ったの?」など、ラーメンに関係ない質問をするのは良くありません。相手からすると、あまり興味が無いのかなと思われてしまいます。
この場合だと、相手はラーメンについて話したいと思っています。だから、その気持ちをくみ取ってあげて、ラーメンについて聞くのがマナーだといえるわけですね。相手が最も話したいと思っていることに対して、興味を示すようにしてください。
相手の気持ちに共感する
人は誰でも、自分の気持ちを分かってほしいと思っています。だから、話を聞いてもらうよりも、その話をしている自分の気持ちを理解してもらいたいわけです。これを分かっていなければ、聞き上手になることはできません。
人は基本的に孤独な生き物ですから、自分の話を聞いてもらって共感してもらいたいわけです。なので、自分の話し方を磨く前に、相手の話を聞くということを意識しないといけません。実際、色々な人を見ても、話ベタな人は相手の話が聞けていないことが多いです。
なので、話を聞くときには、相手がどういう気持ちなのかを探るようにしてください。そして、その気持ちに共感してあげれば、相手の自己重要感を満たすことができます。
たとえば、「転職しようと思ってるんだ」と相手が言ったとしたら、「何で転職するの?」と理由を聞くようにします。そうすると、「上司とのウマが合わなくて」などと、相手の悩みが聞けるかもしれません。
そのときに、「それは大変だよね」と気持ちに共感してあげるわけです。相手の気持ちに理解してやれば、安心感を与えることができます。お互いの信頼関係があれば、色々な悩みを相談されるはずです。それらを真剣に聞いてあげて、共感を示してあげてください。それだけで、相手は満足時てくれるでしょう。
一方、「転職しようと思ってるんだ」と言われた時に、「どの会社へ行くの?」などと言ってしまうのは良くありません。相手はそんなことを聞いてほしいのではなくて、気持ちを理解してほしいからですね。
相手がどんな心情で言葉を発しているのかを考えれば、共感するべきポイントは見つかるはずです。ですから、表面的な事実について聞くのではなく、内面的な気持ちにフォーカスしてください。そうすれば、聞き上手に近づけるでしょう。
共感ポイントが分かるまで待ってみる
最初に話を聞いただけでは、相手が何を言いたいのか分からないことがあります。情報量が多い場合、どれに共感して良いか迷ってしまうわけですね。たとえば、以下のようなケースです。
これだと、話の主題が2つありますよね。
- ディズニーランドへ行った
- タレントの○○がいた
だから、これを聞いただけでは、どちらに共感して良いか判断ができません。そういった時には、「そうなんだ」と相槌を打って様子を伺ってください。すると、相手は話の続きをしてくれるはずです。
「新しいアトラクションが、5時間待ちだったよ」という話なら、ディズニーランドへ行ったことが話の主題となります。なので、「スゴイ人気だね。私も行きたいなー。」と、共感することができますね。
また、「タレントの○○は、顔が小さくて可愛かったよ!」という話であれば、タレントに会ったことが話の主題です。「握手とかした?私も会いたいな」などと、共感をすれば良いでしょう。
しっかりと様子を伺わないと、的外れなポイントで共感してしまう可能性があります。それだと、相手は話す気を無くしてしまうので注意が必要ですね。
相槌や表情で興味を示す
いくら真剣に相手の話を聞いていても、ノーリアクションや無表情だったら話を聞いていないと思われてしまいます。だから、しっかりと話を聞いているということを態度で示す必要がありますね。
具体的には、適度に相槌を打ったり、自分の気持ちを表情で表したりします。本当に興味を持って話を聞いているなら、姿勢は前のめりになりますし、「へぇ」「マジで?」「すごいね!」などと相槌もしっかりと打ちます。また、表情も豊かになるはずです。なので、意識的に興味のある態度を取るようにしましょう。
また、相槌を打つときのコツとして、気持ちに共感することが大切です。先述したように、人は誰でも自分の気持ちに共感してほしいと思っています。だから、「最近は残業ばかりだから、いつも帰りが深夜なんだよ」と言われたら、「うわぁ~、それは大変だよね」と労をねぎらうように相槌を打ちましょう。
相手の気持ちを代弁してあげるということが、相槌のポイントとなりますね。そうすれば、相手は共感してもらえたことに満足してくれるはずです。話して良かったと思ってもらえるでしょう。
オウム返しを多用する
オウム返しというのは、相手の言葉をそのまま返すという方法です。すごく簡単な方法ですから、誰でもすぐに実践できると思います。ただし、よく考えて使わないと、適当に話していると思われるので注意が必要です。
自分:「ケンカしたんだ」
上記のような使い方をしますが、ロボットのように言葉を繰り返すだけだと会話を盛り上げることができません。大切なポイントとしては、しっかりと気持ちを込めることですね。
上の例であれば、(すごく大変だよね)と言う気持ちを込めて、「ケンカしたんだ」をオウム返しをする必要があります。だから、表情や声のトーンなどで、自分の感情を表現するわけです。その気持ちが伝われば、相手は共感してもらえたと思って嬉しくなるでしょう。
ですから、喜怒哀楽の感情をこめて、オウム返しを行うようにしてください。
また、沈黙が続いて話すことが無くなった時にも、オウム返しは有効な手法となります。沈黙が続いたときに、無理に話題を考えようとすると頭が真っ白になりますよね。でも、オウム返しを使うことで、焦ることなく話題を作ることができるわけです。
たとえば、以下の例を見てみましょう。
自分:「渋滞だったんだ」
相手:「うん。大変だったよ。」
自分:「大変だよね」
相手:「・・・」
自分:「・・・」
一度はオウム返しを使っていますが、その後の会話が続いていませんよね。こういった場合には、過去に遡ってオウム返しするのが効果的です。
自分:「・・・」
相手:「ゴールデンウィークは混んでるよね。」
自分:「そうなんだよ。」
相手:「渋滞だったら、遠出するのは諦めちゃうよね。」
自分:「うん。仕方ないから帰りに本屋へ寄ったんだけど、面白い本があって買ってみたんだ。」
このように、過去に出た話題を再びオウム返しすることで、会話をつなげることができます。そうやって会話を進めていけば、相手から新しい話題が出てくるはずです。そこから話を広げることができますから、自分で話題を考える必要はないわけですね。
ネタが少なくて話題に困る人は、オウム返しを多用すると良いでしょう。
相手の間違いは指摘しない
会話していると、相手が間違ったことを言うことがあります。または、自分の価値観に合わないようなことを言うかもしれません。そういった時に、「それは違うだろ!」と頭ごなしに否定してはいけません。
相手の中ではそれが正しいと思っているので、最初から否定するとその人の人格を否定することにも繋がります。なので、まずは相手がなぜそう思うのかを確認してみましょう。
たとえば、相手が上のような発言をすると、賛否両論があるでしょう。意見に賛同する人もいますし、否定する人もいると思います。もし、自分が相手の意見に否定的な印象を持ったとしても、いきなり否定はしないでください。
相手:「必死で働いているのに、少しの小遣いしかもらえないじゃん。」
理由を聞けば、納得できる場合があります。たとえ納得できなかったとしても、一つの意見として受け入れるようにしましょう。「そういう考え方もあるよね」と、気持ちに共感することはできるはずです。
相手の価値観を尊重することが、聞き上手になるための秘訣ですね。
以上、聞き上手になるためのテクニックを紹介しました。これらを意識しながら人の話を聞くようにすれば、相手を気持ち良くさせることができるはずです。誰からも好感を持たれやすくなりますから、しっかりとマスターできるようにしてください。