家族とは普通に話せるけれど、会社の同僚や学校の友達とはうまく話せない。
このような悩みを抱えている人は、かなり多いでしょう。
上手く話せなくなってしまうのには、もちろん理由があります。
この理由を明確にすることで、コミュニケーション能力を引き上げるキッカケとなるはずです。
そのためには、「話す」という行為を見つめ直して、どのように改善させるべきかを考えるようにしましょう。
ここでは、上手に話すためのコツを紹介します。
目次
なぜ、会話を苦手としている人が多いのか?
会話を学んだことがない
そもそも、ほとんどの人は、話し方の技術を専門的に学んだ経験がありません。
親が教えてくれるわけではないですし、学校でも話し方の授業はないですよね。
会話のスキルというのは、日常生活の中で独学で身に付けるものです。
これって、「歩く」とか「呼吸する」などと、全く同じレベルですね。
他人からやり方を教わるのではなくて、自分で学ばなくてはいけない。
つまり、生まれつきセンスがある人でないと、上手く話すことはできないということになります。
だから、会話を苦手としている人が多いわけです。
過剰に意識しすぎている
そして、もう一つの理由として、過剰に意識しすぎていることがあります。
会話というのは、無意識に自然体で行うものです。
でも、上手に話そうと考えてしまうと、変な力が入ってしまいますよね。
だから、ギクシャクしてしまって、不自然な話し方となってしまいます。
これを防ぐためには、リラックスして何も考えずに会話する必要があるでしょう。
過剰に意識しても上手くいきませんから、落ち着いて会話をするように心掛けなくてはいけません。
上手く話せないのはキャラクターの問題
人と上手く話せないことを、自分の問題だと悩んでいる人は多いです。
でも、厳密にいうと、あなた自身に問題はありません。
たとえば、友達と上手く話せなくても、家族となら普通に会話することができますよね。
ほとんどの人は、自分の親や兄弟となら、笑顔で雑談することができます。
冗談を言い合ったり、好きなように話すことができるでしょう。
つまり、人は誰でも複数のキャラクターを使い分けて生活しているということです。
たとえば、家族の前では明るいキャラクターでも、会社では大人しくて落ち着いたキャラクターかもしれません。
家では厳格なお父さんでも、友達の前ではイジられキャラだったりしますよね。
このように、場所によってキャラが変わってくるわけです。
だから、人前で上手く話せなかったとしても、それはキャラクターの問題だといえます。
人前で大人しいキャラが出てしまったことで、「自分は人見知りなんだ」と自信を失ってしまっているんですね。
そして、どんどん話せなくなるという悪循環に陥ってしまう。
上手く話せないのは、あなた自身に問題があるのではありません。
キャラクターの出し方を、間違えているだけということです。
人前に立った時には、「自分がどのキャラクターを出しているのか」ということを意識してみてください。
明るいキャラクターを出せるようになれば、ストレスなく会話することができるようになるはずです。
上手な会話のために意識するべきスキル
無理に話そうとしない
上手く話せない人は、人前に立っただけで肩に力が入ってしまいます。
「何か話さなきゃ!」と思うことで、余計に焦って何もできなくなるわけです。
なので、リラックスして、話を聞くことに集中してみてください。
自分が話さなくても良いと思えば、落ち着いて人と接することができます。
そうすれば、適切な個所で話に入ることができますし、自然な会話を楽しむことができるでしょう。
また、肩の力を抜くと緊張しなくなるので、明るいキャラが出やすくなります。
家族といつも話しているようなキャラが出れば、明るく話すことができるはずです。
会話なんて難しいものじゃないですから、もっと軽い感じで考えればいいと思います。
周りを気にしない
- こんなことを言ったら変に思われるかも
- 話しかけたら嫌われてしまうかも
などと考えてしまって、思うように話せない人がいます。
自意識過剰になってしまうと、会話することが怖くなってしまいますね。
ただ、あなたが思っているほど、周りの人はあなたを見ていません。
たとえば、最近、外を歩いた時に、すれ違った人の顔を覚えていますか?
顔や服装、髪型など、何か覚えているでしょうか?
おそらく、全く記憶にないですよね。
このように、人は意外と周りを見ていないわけです。
だから、周りの人も、あなたのことを特別視していません。
あなたが何を話したとしても、そこまで記憶に残らないということです。
普通に会話している分には、マイナスの印象を持たれることはないでしょう。
面と向かって暴言を吐くくらいでないと、嫌われることはありませんよ。
周りを気にしても無駄ですから、考えすぎないようにしてください。
相槌を工夫する
会話を弾ませるためのポイントとしては、相手に気持ち良く話してもらうことです。
人は誰でも、自分の話をしたいと思っています。
だから、適度に相槌を入れて、相手から話を引き出すようにしましょう。
相槌には、相手の話を促す効果があります。
相手が話しているときに、「そうなんだ」「ホントに?」などと相槌を入れれば、相手も気持ちが乗ってきてどんどん話を進めてくれます。
興味津々に話を聞いていることをアピールできるので、会話を盛り上げるために相槌は欠かせません。
目を大きく開く
会話をするときには、表情にも注意しないといけません。
無表情で話を聞いていると、つまらなそうな印象を与えてしまいます。
なので、印象を良くするために、目を大きく開くようにしましょう。
目を大きく開くだけで、威圧感が無くなるので親しみやすい印象となります。
相手にとっても話しやすい雰囲気となりますから、リラックスして会話を楽しむことができます。
すぐに沈黙して気まずい雰囲気になる人は、表情が暗い可能性があります。
なので、できるだけ明るい表情になるように意識をしてください。
相手の話題を奪わない
相手が話しているのに、その話題を横取りして自分が話してしまう人がいます。
これだと、相手は良い気持ちはしませんし、話題も広がりにくくなってしまいます。
だから、相手の話は最後までしっかりと聞くようにしましょう。
そして、相手の話が途切れたら、自分の感想などを伝えて会話を進めていきます。
会話はキャッチボールですから、順番を意識してください。
途中で話を取ってしまうと、話の腰を折ることになりますので注意してくださいね。
相手の話に共感する
会話を進めるうえで、相手に共感することは大切です。
「でも~」などと、常に相手の話を否定する人がいますが、それだと相手は話す気を無くしてしまいます。
もしも、自分の趣味と合わない話でも、相手に歩み寄る姿勢を示すようにしてください。
たとえば、「昨日の巨人戦すごかったね!」と言われて、「野球は興味ないんです」などと返したら、そこで話が終わってしまいます。
話がウマい人であれば、「あ~見てないですね。どこが凄かったんですか?」と、相手に質問を投げかけます。
そして、「サヨナラホームランが最高だったよ」などの話に対して、「それはスゴイですね。生で見たかったです!」と共感を示すわけです。
興味の無い話題であっても、話に共感することはできます。
なので、相手を受け入れる姿勢を持つようにしましょう。
話題を上手く転換させる
会話をする中で沈黙しそうになった時、真逆の話題を振ることで話を転換させることができます。
たとえば、相手の趣味について話していて話題が無くなってきたら、「この前、こんな嫌なことがあったんですよ」と反対の話題を出すわけです。
そうすれば、「楽しいこと ⇒ 嫌なこと」という風に、話題を転換することができますよね。
そこから新しく話題が広がっていくので、沈黙になることを防ぐことが可能です。
こうやって話題を転換させる方法を知っていれば、ずっと話を続けることができます。
かなり使えるテクニックですから、覚えておくようにしましょう。
上手く話せないのは病気かも
人前で上手く話せいないのは、訓練すれば誰でも直すことができます。
でも、なかなか症状が改善しないなら、何かしらの病気であるかもしれません。
そういった時には、医師のカウンセリングを受けてみることをおススメします。
場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)
場面緘黙症とは、ある特定の場面だけ会話ができなくなる症状のことです。
たとえば、家族の前では話せるけれど、学校では話せなくなるといったケースですね。
先述したキャラクターの問題と似ていますが、場面緘黙症は体が固まって動けなくなるなど症状が重いものです。
小さな子供に起きる症状なので、成長するにつれて直るものだと思われていました。
でも、最近では大人になっても、症状が直らないケースが増えているようです。
本人が病気だと自覚していないことがほとんどなので、なかなか発覚しないという問題があります。
人前で緊張して動けなくなるなどの症状がある人は、精神科を受診してみると良いでしょう。
正視恐怖症
正視恐怖症は、視線恐怖症の一種です。
他人の目を見て話すことに、恐怖を感じてしまう症状ですね。
目を見て話すと不快に思われると感じて、目のやり場に困ってしまいます。
相手の目を見ないことで、話を聞いていない・自分を嫌わっているのかなど、悪い印象を持たれやすくなりますね。
この症状がひどくなると、対人恐怖症になることもあります。
恐怖で人と会うことすらできなくなるので、気になる人は病院へ行ってみると良いでしょう。
以上、上手く会話をするための方法を紹介しました。
これらは、毎日の積み重ねが大切ですから、日頃から練習を欠かさないようにしてください。
自然と無意識に会話することができるように、繰り返しトレーニングを行うようにしましょう。